開始時間 21:24
お菓子屋さんにとって6月7月は少し落ち着く季節です。
パン屋さんもやはり同じ時期に売り上げは落ちるそうです。
ジメジメする梅雨時。暑くなる夏は食欲がやはり落ちるのでしょうね。
この季節には、少し新商品を開発する時間ができます、クリスマスから冬場に向けての事を
今の時期から考え始めます。
クリスマスの装飾品や箱などの展示会は8月までには終わりますからね。
ケーキにもファッションと同じように流行があります、どうやって新作のアイデアが出ると思いますか?
これは私個人の経験でしか書けませんが、少しお話ししましょう。
デパ地下に行ってみる
まずは、真似してみる所からですね(笑)
ケーキ屋さんには多くの種類が並んでいますよね?
何故でしょうか?
人それぞれに、好みが違うからです。
悩んでいるお客さまが最終的に”これ!”と決める要素は何なのか?
それを観察するだけでも勉強になります。
接客をしていると感じますが、このケーキを選んだお客様はこちらのケーキも選ぶ。。
何かパターンがあったりします。
デパ地下で今の流行を抑えるのも大事ですが、自分が目を惹かれた物を真似てみる
そこから、自分では考えなかった組み合わせがあったりします、実際に試作もしてみて
自分なりにアレンジして納得のいくものを完成させる。
言葉では簡単ですが、おそらく10回に1回成功すれば良し!という感じでしょう。
スポーツでも上手い選手を真似てみるとプレイが変わる感覚ありませんか?
職人の世界でも同じです、真似る所からはじめるのが大事。
完全オリジナル商品なんて、今の時代に生み出すのは容易く無いですから。
自然と触れ合う
皆がやっているとは断定できませんが、まずは職場を飛び出すというのが大事かなあと思います。
私は、公園や、山、海岸線などに行くことが多いです。
時には自転車で出かける事もあります。これがまたいいんですよ!
季節によって風の色や匂いが違う、体感できます。
春には咲き初めの淡い花の色や香り
夏には、真っ青な青空に、白くて大きな雲、セミの鳴き声
秋には、何か寂しさを感じる風と味わいの色をした落ち葉たち
冬は・・・苦手なので、出ません。なんて。。。
山の頂にある新雪、肌をさすような冷たい空気。
日本の素晴らしさである四季を体で感じることで、ふっとアイデアが湧くんです
でも斬新なアイデアではなく。過去に作ったものを、アレンジするアイデア。
素材を少し変えてみる、デザインを変えてみる、ほんの少しエッセンスを変えてあげるだけで
今まで主役になれなかったケーキが主役になったりします。
職場でレシピ本と、にらめっこしているよりも、はるかに良いと個人的に感じます。
初心に帰る
流行に左右されるばかりでなく、足元をもう一度見つめ直すこと
どういうお菓子屋さんを目指そうとしたのか。どんな店作りを考えていたのか。
振り返りは大事な事です。
つい、慣れてくると手を抜いたりしたくなるものですよね?
人間だもの。。
ひと手間省いたり、原価を考えて材料の質を落としてしまっていたり。
基本となるスポンジ。クリームの配合。
もう一度見直してみると、そこに答えがあるかもしれません。
スポンジ ケーキの土台になる部分ですが、まあ毎日仕込んでいても、なかなか同じようには
出来上がってくれません。温度と湿度。オーブンの温め具合
毎日が同じ条件ではありませんから、何年やっても、非常に難しい
難しいからこそ、面白さもある。
卵 砂糖 小麦粉
主な材料はこれだけ、この組み合わせからどんな生地を作るのか。
ここが職人の見せ場だと、考えます。
もちろん綺麗で美人に仕上げてあげるのも大事ですが、隠れている部分あまり表面には出ないけれど
土台、基本になるスポンジを考え直すだけでも、それは新作なんだと思うのです。
私のお店は和菓子も作っているので、洋菓子専門店よりも少し材料が豊富です。
ここに少しだけ強みがあります。和の素材は米から作られているものが多いです。
毎日食べている米。そのDNAに染み付いた潜在意識
そこを刺激するアイデアがあったりもします。
毎日の仕事に追われていると忘れがちなこと。。外に目を向ける、基本に戻る
そこにこそ、、新作のアイデアはあるのだと、個人的には感じています
UP時間 22:11
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