職人

お菓子の作り方

一枚ずつ、手焼きで。新月堂のどら焼きができるまで──弾力と厚みの秘密

創業六十年、富士宮の和菓子屋・新月堂。このたび、店のどら焼きができるまでの仕事を、一本の動画にまとめました。説明やナレーションは、あえて入れていません。卵を泡立てる音、生地が銅板に落ちる音、あんこをのせる手つき──職人の手の動きと、厨房の音...
甘いものの記憶

青島みかんを、和菓子に──ある方からの相談から、3年の物語

ある日のことだった。以前から知り合いだった一人の女性から、こんな話を聞いた。「ある事情があって、青島みかんの栽培を任されることになったんです」私が和洋菓子店を営んでいることを、彼女は知っていた。だから続けて、こうおっしゃった。「自分が育てた...
お菓子の作り方

63cmの木枠で焼く、新月堂のカステラ──朝霧の卵と牛乳で守る、60年の手仕事

工場の奥に、一辺63センチほどの大きな木枠がある。木の縁が深く焦げ色を帯び、長く使い込まれてきたことを物語っている。新月堂のカステラは、この木枠ひとつから焼き上げられる。カステラは、見た目はシンプルでも、作り手の腕がそのまま現れる和菓子だ。...
甘いものの記憶

60年、母から受け継いだ餡練り機——あんこに込めた、私のこだわり

工場の隅に、いつもその機械はある。深緑の鉄の体に、直径60センチの銅鍋。スイッチを入れると、ゆっくりと木のヘラが回り始める。60年、休むことなく動き続けてきた、新月堂の餡練り機だ。この機械の前に立つたびに、私は母の背中を思い出す。60年、動...
甘いものの記憶

カステラでのスランプの話〜忘れられない優しい背中〜

お菓子作りを長く続けていると、調子の波のようなものが訪れます。それでも、まさか自分が抜け出せないほどのスランプに陥る日が来るとは思っていませんでした。今回は、私がそのトンネルの中でもがいていた時、そっと手を差し伸べてくれた "ひとつの出会い...