東海道には由緒ある宿場町が数多く残っています。今回は興津宿を訪れ、ここでしか味わえない銘菓を発見しましたのでご紹介します。
興津宿の歴史
興津は古くから歴史的に重要な土地でした。680年には東北の蝦夷に備えて清美関(きよみせき)が置かれ、後にその鎮護として仏堂が設けられたのが清見寺の起源とされています。

風光明媚な景勝地としても知られ、西園寺公望の別荘が置かれた避暑地でもありました。明治22年には東海道線開通の同日、皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)殿下が興津清見寺に4週間滞在され、清見潟で海水浴を楽しまれたと伝えられています。

宮様まんじゅう 潮屋

清見寺から興津駅方面へ数分歩いたところにあるのが「潮屋(うしおや)」です。明治30年(1897年)創業、現在5代目というこのお店の看板商品が「宮様まんぢう」。興津行啓中の嘉仁親王殿下に献上され、その後宮内省(現・宮内庁)から名を賜ったという由緒ある品です。

明治から受け継がれているお品書き看板も見せていただきました。「壹里玉」など、一つひとつのネーミングが味わい深く、1粒で一里歩ける元気が出るお菓子という説明に思わず笑みがこぼれました。現在製造されているのは「宮様まんぢう」のみですが、当時のレシピが残っていれば、ぜひ一つ二つ復刻してほしいと思います。




1957年(昭和32年)には静岡国体で行幸された昭和天皇・香淳皇后両陛下も興津を訪問されており、歴史上の要人たちを迎え続けた稀有な土地だということが改めてわかります。
店内の雰囲気



店内は落ち着いた雰囲気で、女将さんと若女将さんが気さくに話しかけてくださいました。季節のお菓子(道明寺の桜餅・いちご大福)や銘菓(みそまんじゅう・ぬれ甘納豆・揚げ饅頭)など、手づくりの品が並んでいます。
宮様まんぢうを食す



25個入りで700円(税込756円)という良心的な価格。賞味期限は購入日から2日です。一口サイズで上品なこし餡——宮様が大きく口を開けずに召し上がれるようにという配慮からこの大きさになったのではと推察します。酒饅頭ながらほんのりと麹の香りが広がり、その香りを活かすためか餡はサラリとした炊き上がり。あっという間に5個ほど食べてしまいました。創業当初から受け継がれた自家製の酒種を使い続けているとのこと。伝統を守ることの重みが、ひと口ひと口から伝わってくる味でした。
揚げまんじゅうを食す

宮様まんぢうを油で揚げたこのお菓子、食べてみると驚くほど印象が変わります。揚げることで餡の味がぐっと前に出て、まるで別のお菓子のよう。ぜひ両方を食べ比べてみてください。
まとめ
今回は東海道の旅で立ち寄った潮屋さんの「宮様まんぢう」をご紹介しました。興津という土地がいかに歴史的に重要な場所であったか、改めて深く学ぶ機会にもなりました。変わらぬ味を守り続けることの大変さは、同じお菓子屋として痛いほどわかります。五代目当主にこれからも伝統を紡ぎ続けていただけることを願っています。東海道を旅する際は、ぜひ足を運んでみてください。
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静岡県富士宮市青木で60年以上続く、地元に愛される和洋菓子の老舗です。
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営業時間:火〜日 8:00〜19:30(月曜定休)/住所:静岡県富士宮市青木325-12


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