糸寒天とひとつまみの塩 ― しんちゃんの水ようかん、明日から

ガラスの葉皿にのせた新月堂の水ようかん一切れ お菓子語り

作業台の奥に、白く透き通った糸寒天の束。
明日、7月10日から、うちの水ようかんが店頭に並びます。

▼ 仕込みの様子はこちらの動画で

仕込み中の水ようかん、切り分けられた小豆色の一枚シート

糸寒天でしか出せない、程よい固まりと、鼻に抜ける海の香り

粉寒天でも作れます。工程はずっと楽になる。
それでも、うちでは糸寒天をやめません。
一晩水に浸して、丁寧に溶かす。手間はかかりますが、その分だけ生まれるのが、口の中での“程よい固まり方”です。かたすぎず、崩れすぎず。おさじがすっと通って、舌の上でほろりとほどける。
そしてもう一つ。糸寒天ならではの、あの香り。
食べた瞬間、鼻からふわりと抜けていく、海藻の香り
海の力を借りたお菓子なんだと、食べるたびに思います。

甘さの奥に、ひとつまみのミネラル塩

水ようかんに、塩をひとつまみ。
不思議に思われる方もいるかもしれません。
甘さを“隠す”ためではなく、小豆の輪郭を立たせるために入れています。
使うのは、ミネラルをたっぷり含んだ塩。ただしょっぱいだけの塩とは違って、後味に深みが残る。
この一つまみがあるから、甘さがべたつかず、最後まで澄んだ味になります。

おさじを入れた瞬間の、あの感触

冷やした水ようかんに、おさじをそっと入れる。
小さな抵抗もなく、スッと入る。
このひと呼吸に、夏がある気がします。
すくって口に運ぶと、冷たさが舌の上でほどけ、少し遅れて小豆の香りがやってくる。
毎年この感触が出せるまで、何度も練り直しています。

夏こそ、小豆の力を借りてほしい

小豆は、夏こそ食べてほしい豆です。
汗と一緒に流れていく鉄分・カリウム。日差しで疲れた身体を守ってくれるポリフェノール
昔から日本人が「疲れた日ほど小豆を炊く」文化を持ってきたのには、ちゃんと理由があるんです。
それに、水ようかんは冷たいのに、身体を冷やしすぎない
かき氷やアイスクリームを食べたあとの、あの妙な疲労感がない。腸を冷やさず、じわっと栄養を届けてくれる。
「今日はちょっと夏バテしそうだな」と感じた日ほど、一つ食べてほしい。
うちが毎年、この時期に水ようかんを作り続けているのは、そんな想いからです。

明日、店頭でお待ちしています

新月堂 水ようかん
販売開始:2026年7月10日(金)より
価格:1個 180円(税込)

暑い一日の終わりに、冷蔵庫から一つ取り出して。
おさじを入れた瞬間の、あの感触を、ぜひご自宅でも。

明日、店頭でお待ちしています。

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