ケーキ屋・お菓子屋を自分で開くとはどういうことか——今回は自営業として実際に事業を続けてきた立場から、そのリアルをお伝えします。これからこの道を考えている方の参考になれば嬉しいです。
ケーキ屋は儲かるの?
「売れれば儲かる」——これは本当のことですが、売上=手取りではありません。売上から差し引かれるものを整理すると次のようになります。
家賃・人件費・原材料費・水道光熱費・広告費・リース料・その他経費。さらに消費税(売上1,000万円以上で申告必要、開業から3年間は免除)、事業税、所得税なども発生します。従業員を雇えば雇用保険・労災保険などの社会保険もかかります。
人を雇うことはコストがかかります。開業当初はできるだけ少人数で、収支をしっかり把握しながら進めることが重要です。計画的な資金管理が、長く続ける土台になります。
労働時間はどのくらい?
自営業ですから、理論上は「好きな時間に働ける」のは本当です。ただ現実には、お客様の都合に合わせた営業が基本になります。
私のお店は元々和菓子屋からスタートしたこともあり、繁忙期は朝4:30、余裕がある時でも5:30から仕込み開始。その後、焼き菓子やスポンジなどの製造を進め、昼以降はデコレーションケーキの注文対応や包装作業。閉店後の雑務まで含めると、20:30頃まで動いています。
定休日は週1日(月曜)に加え、年間では夏季・ゴールデンウィーク明けなどにまとめた休みを取ります。バレンタイン・母の日・クリスマスなどのイベントは営業することが多く、年間の休日は50日程度です。
ただ、これは私のやり方のひとつです。身の丈に合った仕事量・営業時間・売上規模を自分で決められるのが個人事業の魅力でもあります。古い慣習に縛られず、自分らしいスタイルを模索してほしいと思います。
本当に楽しいの?
楽しさ半分、苦しさ半分——というのが正直なところです。ただ、夫婦や家族でお店を回せると、交代でお店番ができるぶん自由な時間も生まれます。仕込みが終わって後はお店番だけ、という時間に買い物や読書を楽しむこともできます(このブログもそんな合間に書いています)。
お客様が「美味しかったので友人へのお土産にまた来ました」と言ってくれる瞬間、おばあちゃんがケーキをお孫さんに手渡す笑顔——そういう場面が、仕事を続けるエネルギーになります。
ケーキ屋になるための5つの条件
長年この仕事をしてきて、向いている人に共通する要素があると感じています。
①お菓子を作るのが好きなこと。好きなことをやっている時間は、苦にならないし上達も早い。仕事になると毎日が楽しいとはいきませんが、「好き」が根本にあれば続けられます。
②人に喜んでもらうのが嬉しい人。テイクアウトのケーキ屋はリアルタイムの反応が少なく、孤独との戦いでもあります。でも、リピートしてくれるお客様の言葉や笑顔が、何よりのご褒美になります。
③時間の管理ができる人。個人事業主は自分が動かなければ何も始まりません。開店時間に合わせて仕込みを終えるには、就寝・起床のリズムを整える必要があります。二日酔いでも、少し熱があっても、開店時間は変わりません。時間を守ることが、お客様への信頼につながります。
④結構お気楽な人。収入は月ごとに変わり、クレームが入ることもあれば、自信のある商品が売れないこともあります。全てを重く受け止めていると身が持ちません。「ま、なんとかなるか」と前向きに流せる楽観性が、長く続ける秘訣です。
⑤飽きずにコツコツできる人。毎日同じ作業の繰り返しが多い仕事です。瞬発力より持続力。「商い」とは「飽きない」から来るとも言われます。地道に続けられる人が、長い目で見て勝ちます。
明日のパティシエを目指す方を、応援しています。疑問や質問があればお気軽にどうぞ。
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静岡県富士宮市青木で60年以上続く、地元に愛される和洋菓子の老舗です。
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営業時間:火〜日 8:00〜19:30(月曜定休)/住所:静岡県富士宮市青木325-12

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