カスタードクリームが焦げるのは、いつだと思いますか。
火にかけてすぐでも、炊き終わりでもありません。
液体から固体に変わる、その一瞬です。
そこさえ乗り越えれば、ほとんど焦げることはありません。
今回は、うちのタルトに使っているカスタードの配合と、その一瞬の乗り越え方をお伝えします。

基本の配合(牛乳300ml)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 牛乳 | 300ml |
| 上白糖 | 60g(半量は牛乳へ、残りは卵黄へ) |
| 卵黄 | 3個(約60g) |
| 薄力粉 | 24g |
| バター | 20g |
| バニラビーンズ | 1/4本 |
牛乳に対する割合で覚えておくと便利です。
上白糖20%/卵黄20%/薄力粉8%/バター約7%。
倍の量を炊くときも、半分にするときも、この割合が目安になります。
これは基本の配合です。用途に合わせて調整してお使いください。
たとえば当店では、硬さのバランスを取るために、薄力粉24gを「薄力粉12g+コーンスターチ12g」にしています。
(動画では基本の配合で炊いています)
手順
1. 牛乳に、砂糖の半量とバニラビーンズを入れる
バニラビーンズは、さやごと牛乳に入れて香りを移します。
牛乳に浮いている黒い粒が、バニラの種です。

バニラエッセンスを使う場合は、炊き上げて少し冷めてから入れます。
熱いうちに入れると、香りが飛んでしまうからです。
2. 牛乳を約90℃まで温める
3. 卵黄に、残りの砂糖と薄力粉を合わせる
そこへ、温めた牛乳を少しずつ加えて混ぜます。
4. 中火〜強火で炊く
ここがいちばん大事なところです。次の章でくわしく書きます。
5. 炊き上げたらすぐ、バター20gを入れる
火を止めた余熱で溶かします。
6. 平盆に移して、すぐに冷やす
これも大事なので、最後の章で。
弱火は禁物です
カスタードは焦げやすいので、つい弱火で炊きたくなります。
でも、弱火は禁物です。火は中火〜強火。
なぜかというと、弱火でだらだら炊くと、そのぶん混ぜる回数が多くなるからです。
混ぜすぎると、コシが切れて、ダラッとしたクリームになってしまいます。
時間をかけずに、手早く炊き上げるのがコツです。
ホイッパー(泡立て器)で炊く場合は、ボウルの底をこすりすぎないようにします。

焦げるのは、液体から固体に変わる瞬間
強火で炊いていくと、ある瞬間、一気に固まりはじめます。
いちばん焦げやすいのは、ここです。
そのときは、火加減を調整して、そこを乗り越えます。
うちでは、鍋を持ち上げて火から遠ざけながら混ぜ続けます。
その瞬間を越えたら、最後までしっかり炊き上げます。
しっかり火を通すことで、傷みにくいカスタードになるからです。
焦げるのが怖くて手前で止めてしまうのは、いちばん避けたいところです。
動画では、ちょうどこの瞬間を映しています(3:30あたり)。ぜひ見てみてください。
炊き上がりは、温度計ではなく、目で見て判断します。
沸々と湧いてきたら、炊き上がりです。

もし焦げてしまったら
焦げたと思ったら、一度、作業を止めてください。
焦げた所をこすらないようにして、そのまま別のボウルへこして移し、もう一度炊き上げます。
焦げたまま混ぜ続けると、焦げが細かく全体に散らばって、そのカスタードはもう使えません。
炊いた後は、5分以内に冷蔵庫へ
カスタードは、炊いた後の扱いで日持ちが変わります。
1. 平盆(バット)に、約3cmの厚さに広げる
表面積を増やして、早く冷やすためです。
2. ラップを、クリームにピッタリ密着させる
隙間があると、そこに水滴がつきます。それが傷みの原因になります。

3. 平盆に広げたら、5分以内に冷蔵庫へ
うちでは、炊いたカスタードは翌日までに使い切ります。
使うときは、ゴムベラなどでほぐして、なめらかにしてから使います。
おわりに
カスタードは、材料も工程もシンプルです。
そのぶん、火加減と、炊いた後の冷やし方で差がつきます。
弱火で怖がらずに、中火〜強火で手早く。
固まる瞬間だけ、鍋を火から離す。そのあとは、しっかり炊き上げる。
炊いたら、5分以内に冷蔵庫へ。
この3つを守れば、家庭の鍋でも、なめらかなカスタードが炊けるはずです。
炊いている様子は、動画にまとめています。
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📌 新月堂(しんげつどう)
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営業時間:8:00〜19:30/定休日:月曜日

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